中学受験をするということ
中学受験をするかしないか。
それを考える上で一番重要な事は、すべき地域であるかどうか。
ここが意外と語られていないのは、もう当たり前のように判断できる親がほとんどであるからだ。
だが、その判断を出来ないばかりに 親子で多大な負担を抱えてしまい落ちれば自己肯定感の低い子どもが出来上がり受かっても通学に非常な労力が必要となる家庭もある。つまり、通学にドアtoドアで2時間以上かけるのはやめる。つまり通学圏内に住んでないのなら受験はしない。ここで、ひとつ目の選択肢によって篩がかけられる。
単純に言えば行く価値のある私立中高がない地方では、言うまでもなく中学受験の事は考えなくていいし、行くつもりのない遠方の学校を受験するのはやめた方がいいのだ。
第二に 私は「中学受験は、やったなら必ず成功体験で終わるべきである」と考える。
学力的に望みの薄い学校ばかりを受験して「落ちたら公立でいい」という考えは支持しない。
受験するなら受かる選択をすべき。
偏差値がどうとか、行きたい学校に手が届かないとか、いろいろ悩みはあると思うが、断言して言う。たとえどんな(というのは言い過ぎだけれども)私立の中学でも公立中学よりひどい学校はなかなかない。
もしも公立のほうがマシだったという家庭があるなら、その親子は公立に行っても大体同じような感想を持つ。
私立の中高一貫で、高校からの募集をしない学校は増えている。つまり高校から私立を選択するという事はかなり門戸を狭くしていると考えるのが正しい。その上、中学からなら楽に入れただろう学校に高校から入ろうとすると偏差値は平均で10上がるのだ。
次に、中学受験と高校受験の差について。
余計な話ではあるが小学校受験は。親の財力が学校側の合否の大半を占めると言ってよい。
もちろん中学もそういう学校は存在する。面接で「うちはお金がかかりますが大丈夫ですか?」と言われる学校はある。
そういった事を除いて中学と(公立を含む)高校受験との決定的な差は 内申点という存在である。
内申というのは、全ての教科において担当教師が生徒に振り当てる5段階評価で、中間や期末のテスト以外に提出物や授業態度を鑑みて判断される。
教師に受けのよろしくない生徒には良い点は頂けず、こつこつと真面目で従順な成績優秀者には当然良い点がつく。
親はここで、教師に文句を言うのではなく我が子を判断して「うちの子は無理かもなあ」と思うなら迷わず中学受験をするのがいい。
高校に行くと内申ではなく今度は大学受験の推薦に大きく影響する「評定平均値」という定期テストの成績を完全に回数で割るという単純非情な仕組みが存在するので一年生の中間テストから侮ることなく取り込まねばならないことを追記しておく。
公立中学に通っている子どもたちで塾に行かない子というのは、スポーツ推薦狙いか 授業と自宅学習だけで理解する稀有な優秀頭脳の子 もしくは、親も子もまったく未来に期待をせず普通レベルの計画性もない家庭、のどれかだ。
つまり公立中学に通っても教育費はかかるのだ。それなら少し割高な塾だと思って手ごろな値段の私立に通うのは決して悪くはない。まして、劣悪な生活環境の家庭の子があまりいないと考えると精神の安定度は増す。
最後に重要な事を一つ。
地方出身者や公立だけで大人になった(特に男親)の考える公立中学と、現在の学校事情は、全く別物と考えるのがいい。
教師の人手不足に伴う様々な問題は、学校長や教頭を筆頭に「ことなかれ」先行で処理されていくのだということ。
では、私立はそうではないのか?というともちろんなくはない。ただ、平均して私立中に通う家庭の保護者にはとてつもないモンスターや度を超す非常識人の存在の割合はかなり低めであるというのが実情である。